株式会社AZism サブマネージャー 中澤琢実さん(30)
思い立ったことはすぐに行動に移すフットワークの軽い中澤さん。現在は高尾タンメン イタダキ 松木店に勤めています。どういった経緯で「高尾タンメン」で働くようになったのか、またこれまでの経験をどう仕事に生かしているのかのお話を聞いてきました。
学生時代は何をしていましたか?
高校一年の時にピザ屋さんの調理担当としてアルバイトをしていました。配達の仕事をしてみたかったのですが、この時は、まだバイクの免許も持っていなかったので、配達員を選択できなかったんですよね。
ピザ屋さんは初めてのアルバイトだったのですが、半年ぐらいしか続かず、その後スーパーのレジ担当のアルバイトをしたり、コンビニのアルバイトをしたり、色々と職を変えていました。なかなかしっくりくるのがなく、転々としていた記憶があります。何に対してしっくり来ていないと判断しているのかはわからなかったのですが、そんな学生時代のアルバイトでした。
僕がアルバイトを始めたきっかけは、バイクに乗りたいと思ったからというのもあります。働きたいというよりは、欲しいものがあるからそのために働いていたという感じですね。だから、お金が貯まるとすぐに原付の免許を取りに行きました。
ただ免許を取って原付に乗ってみても、なんか思っていたのとは違って。翌日には二輪の免許を取りに行っていました。僕の中でバイクというのは、二輪のバイクの方だなという感覚があったんですよね。
免許を取った後は、アルバイトでも配達員の仕事ができるようになったので、今度はお寿司のデリバリーの仕事を始めました。デリバリーの仕事は、今までのアルバイトとは違ってすごく楽しかったんです。特に僕は、時間を管理するところに魅力を感じました。
デリバリーは、何分以内にこの家まで行って商品を届けなければいけないという制約があります。時間内にたどり着くにはどうすればいいのかを考えなければなりません。事前に地図が頭の中に入っている方が有利なので、道もだんだんと覚えていくようになりました。しかも、時間内にたどり着くことができたら、褒めてもらえるのもすごく嬉しかったですね。
大人になってから振り返ると、自分でコントロールして成果を出せるところにデリバリーの魅力を感じていたんだと思います。
学校を卒業して最初に勤めたのも飲食業界ですか?
いいえ、全く違う業界です。高校を卒業した後、沖縄にある大学へ行ったのですが、入学さえしてしまえば、後はアルバイトをして何とかなると思っていました。ですが、関東と沖縄では学生アルバイトの時給が全く違っていて、生活ができなくなり中退。その後、実家に戻ってきて、職探しをして見つけたのが建築の会社です。見習い職人として入っていたので、先輩の職人さんたちにしごかれる日々で……。覚えることが本当に多くてとても苦労しました。
この会社には2年いたのですが、その後転職して、また別の建築系の会社に入社しました。そこでは現場監督として入社したので、前の会社とは少し仕事の内容が違います。やりがいもあって、仕事をすることも楽しかったのですが、入社して2年目の時に感電をしかけたことがありました。そして、翌年もまた感電しかけてしまい……現場監督という仕事は、1年に1度は感電をするような危ない仕事だと思い込み、上司に話をしたんです。僕は1年に1度感電をして命を懸けてまでこの仕事を続けることはできない、と。
上司曰く、現場監督の仕事をしていて、毎年感電しかける人はそうそういないと言われましたが、僕は実際に2度感電しかけているので信じずに退職しました。
その後に入社したのが、今の会社です。
建築業から飲食業への転向をしようと思ったきっかけはありますか?
僕にとっては、建築から全く畑違いの飲食へ、というような仰々しさはありませんでした。理由はすごくシンプルで、ふと気づいたんですよ。僕はラーメンが好きだなって。高校の時もよくラーメン屋に行っていたし、建築の仕事をしている時も、現場に行ってお昼を食べる時もラーメン。その中でも特に横浜家系ラーメンが好きで食べていました。
だから今度は好きなものを仕事にしよう、ラーメン屋に就職をしてみようと思ったのがきっかけですね。
僕が初め担当をしたのは、調理とホールです。実際にラーメンを作ってみると、すごく楽しいんです。しかも、ここに来ると今何をすべきなのかが明確で、それも僕が働きやすいと感じたところの一つだと思います。
建築だと現場仕事なので、同じ人と常に一緒にいるということがないんですよ。場所によってはその日限りの仕事仲間だったり、長くても半年ぐらいしか一緒に働かない仲間だったり。そうなってくると、人間関係を作るというのもないんですよね。ですがここは違います。毎日同じ人と一緒にお店の中で働いています。
これまでできなかったコミュニケーションの勉強というのを、させてもらっている感じですね。アルバイトと社員の役割の違いや本社の人との関係なんかも考えてうまく取り持ったりすることも楽しいですし、これも飲食業の醍醐味なのかなって思っています。
中澤さんの中で、働く上で今一番楽しいことは何ですか?
今、一番楽しいのは新人教育、アルバイト教育ですね。どうやって教えたら、どんなふうに伝わるのかを見るのが楽しいです。同じ言葉を伝えても、人によって受け取り方が違うというのも面白いところでしょうか。
新人やアルバイトが上手く仕事をこなせないのは、教育係の問題です。だからこそ、僕は教え方を自分なりに研究して伝えています。教育というのは正解が1つではありません。そういうところにも、僕は惹かれているんだと思いますね。
あと、学生アルバイトが就職活動などで辞めた後に、「○○に就職が決まりました!」「彼女ができました!」というような連絡が来る時があるんです。そういう時は嬉しいですね。
僕は普段からアルバイトのみんなとプライベートな付き合いをしているわけではありません。ですが、そういった時に僕のことを思い出してくれて、連絡してくれるというのが嬉しいんです。
では反対に仕事をしていて苦労されたことはありますか?
もちろん、あります。さっきは楽しいと言っていましたが、入社して間もない時は人間関係で苦労しました。僕は飲食業界で社員として働いたのは初めてですし、学生の時に少しアルバイトはしていましたが、当時はそこまで真面目にしていたわけでもありません。だから、ラーメンについての知識は浅いんです。
ですが新人として入ってくる人でも、中には僕より年上で飲食業界での経験がある方という場合があります。そんな人に、「マニュアルにはこう書かれていますが、こうした方がいいんじゃないですか?」と言われたときに、納得がいかない部分があっても言い返す知識がありませんでした。話を聞いていると、なんとなくそっちの方がいいような気もして、だんだんと何が正しいのかがわからなくなっていくんです。
僕の場合は初めの1年ぐらいは、このことで悩みましたね。答えは人それぞれにあると思うので、必ずそうしなければいけないというようなことはないと思います。新人で経験豊富な人にそう言われて、それに従うのをよしとする人もいるでしょう。ですが、僕が出した答えは違います。
僕が1年をかけて出した答えは、まずはマニュアル通りに手を動かせということでした。 マニュアル通りに動くことでお客様に迷惑をかけるということはまずありません。もちろん自分の意見を持つことは大事ですが、慣れない状態で余計なことを考えていたり、悩んでいたりすると、お客様に対しての行動が遅れるんです。意識が違うところにいってしまって、最優先されるべきである目の前のお客様を大切にできないことの方が問題だなと思い、はじめはとにかくマニュアルを身に着けてほしいということを伝えています。
それができるようになって初めて、自分なりの個性を表現する段階になると思います。悩んだこともありましたが、今はそのように指導しています。
中澤さんの今後の目標はありますか?
僕個人としては、まずはマネージャーを目指したいです。その次は部長になってハワイにラーメン屋をオープンさせ、そこで働きたいですね。
これは個人的な気持ちなのですが、今年はコロナの影響で行っていませんが、毎年ハワイに行っていて、あの場所がすごく好きなんです。いつか定住したいと思うぐらいに。ただ、ハワイは物価が高いので、無職で行くのには限界があります。
僕は学生の頃、沖縄に行ってみたくて沖縄の大学に入学しましたが、お金のことを何も考えずに行動して失敗した経験があります。だから今は、同じ失敗をしないようにお金のことに関しては、しっかり準備をするようになりました。
ハワイへの移住も同じです。お金や仕事がなければ移住できないと思っています。だから、今の会社でハワイ店をオープンさせたいということを提案して、それが叶ったらハワイ店の店長として働きたいですね。
では最後に、今回の求人にあたって一緒に働きたい方はどんな方ですか?
そうですね、色々なことを学びたいという意欲がある人だといいですね。飲食業界で働いていると、飲食店の知識以外にも本当に様々なことを学ばせてもらえます。実際僕も、入社するまでは、ここでこんなに人間関係について学ぶことができるとは思っていませんでしたし。その人にとって足りなかった部分を教えてくれる場所でもあると思っています。
後は自分をしっかり持っている人ですね。自分で考えて行動してみて、ここはこうしたほうが良かったと体感出来たら、それをストレートに伝えて提案する。そういった自立した人であれば、一緒に働いていて楽しいと思います。
僕はここに入ってから、明確なミッションを持って、そのミッションに対して自分なりに答えを出していくということを仕事に求めていたんだと気づけました。
人によって気づけるものは違うかもしれません。ですが、入社してみると何かに気づくものがあると思います。僕はそうやって自分のミッションを探し続けて努力できる人と一緒に働きたいですね。